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消費税・医療費控除の取扱についてのQ&A

(機関誌『老健』平成12年11月号より)
問1:理美容代を施設の収入とせず、入所者と業者が直接の関係で提供する場合、消費税は課税されますか。 問2:衣類やタオル等を、リース業者と入所者が直接の契約でやり取りをしている場合、リース業者が入所者に対して請求書を発行することとなるが、この場合、消費税は課税されるか。 答:消費税の課税・非課税の判定は、施設が収入として計上していることを前提としているので、施設入所者が、施設内で施設外の業者からサービス提供を受けることについては、消費税の取扱以前の運営上の疑問が残る。 よって、上記2つの質問にあるような運営方法についての可否を行政(県)に確認することが望ましい。 考え方としては、施設が介在せず、業者が直接入所者にサービスを提供するならば、業者に適用される消費税の取扱によることになるが、通常は入所者から消費税を徴収することとなる。 しかし、上記のように運営上の問題が残るため、行政(県)に確認する必要がある。
問3:「特別な食事」は消費税の課税対象となっているが、「特別な食事」を外注した場合、施設は入所者から消費税を徴収できるか。 答:外注かどうかに関係なく「特別な食事」であれば課税。課税対象額の計算方法は下記のとおり(「介護保険法の施行に伴う消費税の取扱について」平成12年8月9日事務連絡)3ウ⑪(注)利用者の選定に基づき提供される上記サービスについては、通常のサービスを利用した場合の費用との差額部分のみが課税となる。(参照) 料金でなく、費用とするのは、たとえば3,000円特別食の場合、(3,000円-基本食事サービス費2,120円)×1.05の計算であって、(3,000円-780円)×1.05でない。
問4:短期入所の場合も、個人専用の家電製品の電気代や電話料金に対する消費税の取扱いは一般入所と同じでしょうか。 答:同じ扱いである。
問5:同法人が運営しております介護療養型医療施設の下記利用料について、消費税は課税なのか、非課税になるのか、教えてください。 ①タオル代②病衣代 答:病衣は寝間着として取扱うので日常生活費の一種であり、介護保険適用の療養病床にあっては非課税である。
問6:個室に電話の引き込みがあり、自由に外部に電話がかけられる様になっている。その際の電話料金は課税か非課税か。 答:課税される。
問7:日常生活費は非課税とのことだが、当施設では現在「教養娯楽費」として行事費・電気代も含めた意味合いで、全入所者から1日300円、通所リハの利用者からは、1日100円を課税扱いで頂いております。 また、おやつ代についても、ワゴンサービスや自販機のものではなく、施設の厨房より、利用開始時のおやつ希望者に対してのみ、1日130円で課税扱いでいただいております。 この2点について、今後はどの様にしていけば良いでしょうか。 答:「教養娯楽費」は、消費税は非課税扱いである。おやつ代は1日の献立の中に含まれるものであれば、基本食事サービス費に含まれるため、利用料として徴収できない。 個人が希望する、いわゆる選定したおやつは、「特別な食事」として取り扱われるので、課税の対象となる。
問8:診断書料の他に、施設より発行する「意見書」や「証明書」の類も課税対象として考えてよろしいか。 (例:補装具や車椅子作成時に発行する意見書・老人ホーム等施設入所にあたり必要となる意見書や証明書等) 答:課税対象となる。
問9:社会福祉法人として、消費税は徴収できるのでしょうか。 徴収できるとして、室料などを徴収するにあたり、いつから徴収できるのでしょうか。 答:設置主体にかかわらず、室料は課税される。
問10:当施設では入所者の理美容を外部業者に委託しており、外部業者より施設あてに1人1回につき消費税込みで1,050円が請求されるが、このような場合、利用者には「理美容代」として1,050円を請求してよろしいか。 答:よい。外注費として支払った金額には消費税も含まれているが、この消費税も実費の一部を構成しているので、「理美容代」として1,050円を請求できる。
問11:介護老人福祉施設では、介護費と食費の自己負担額の合計の2分の1が医療費控除となるとされている。 介護老人保健施設の医療費控除も同様の扱いではないのか。 答:同様の扱いではない。 介護老人保健施設においては、従来の医療費控除と同様の取扱いとなる。
問12:①当県では、短期入所の振替利用分を「償還払い」ではなく、「受領委任払い」として扱っています(9割は直接市町村へ請求)が、この場合、 利用者が負担した分については、医療費控除の対象となるのでしょうか。 それとも、保険給付外の扱いとなり、医療費控除の対象から外れるのでしょうか。 ②このような利用の際にサービス提供証明書が必要になるのでしょうか。(利用者へ交付) 答:「償還払い」「受領委任」の別に関わらず、保険給付対象となるサービスの利用者負担分(9割の市町村への請求分を除いた額)は医療費控除の対象となる。 また、受領委任払いであればサービス提供証明書は必要ない。
問11:介護老人福祉施設では、介護費と食費の自己負担額の合計の2分の1が医療費控除となるとされている。 介護老人保健施設の医療費控除も同様の扱いではないのか。 答:同様の扱いではない。 介護老人保健施設においては、従来の医療費控除と同様の取扱いとなる。
問13:利用料の領収書は「指定介護老人福祉施設利用料等領収書」に準ずるものでよいのか。 答:よい。介護保険法施行規則(第82条)には「個別の費用ごとに区分して記載しなければならない」とされているので、内訳が分かるようになっていればよい。
問14:コンピュータソフトの関係もあり、厚生省局長通知にある「様式例」のような領収書は発行できないが、よいか。 また、確定申告の時期にまとめて発行して欲しいという希望者がいるが、その場合にはどう対応すれば良いか。 答:領収書は、介護保険法施行規則(第82条)に「個別の費用ごとに区分して記載しなければならない」とされていることから、それぞれの内訳が分かるようになっていればよい。 ただし、領収書の発行は本来、医療費控除のためでなく、介護サービスの内容を明瞭にすることが目的であることから、領収書はそのつど発行し、大切に保管するよう利用者に対し指導することが望ましい。 その上で確定申告の時期に領収書をまとめて欲しいという希望がある場合は、「再発行」という印又は記載をはっきり分かるようにする必要がある。
問15:現在、教養娯楽費や日用品費などの徴収は、1日1人いくらという値段設定で同じ金額としていますが、要介護度の違う人で同額を徴収するのはおかしいという見解も耳にします。 どのように考えるべきでしょうか。 答:同額であるべき。なぜなら、教養娯楽費や日用品費というのは、マンパワーの必要度に着目する介護度と異なり、マンパワーには関連しない介護の周辺にあるものと捉えられるからである。
問16:通所リハビリテーションの場合、おやつ代は徴収できないとのことであるが、午後のみの利用(13:00~16:20)では、食事は提供せず、おやつのみ提供する。 この場合の取扱いは。 答:短期入所療養介護、通所リハビリテーションについては、一律に提供され、1日の献立の一部として位置づけられるものであれば、おやつ代としてではなく、食材料費の中にその費用を含めることが出来るとしているので、このケースでは、おやつ代ではなく、食材料費として利用者から徴収することになる。 なお、食材料費の消費税は非課税である。


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